記事執筆時点で停戦期待で原油が100ドル割れて下に向かい始めたけど、これってもう株買っていいサインなの?
いや、ちょっと待ってくれ。中央銀行が利上げに転じていることやインフレ懸念が払拭されたわけではないんだよね・・・今回はそのあたりを見ていこう
「原油が下がってきた。もう大丈夫じゃないの?」
4月1日現在、そう思っている方も多いのではないでしょうか。

イランのペゼシュキアン大統領が「戦争終結に応じる用意がある」と発言したことを受け、WTIは下落して100ドルを割れてきました。
株式市場も一時急反発し、日経平均は4%超の上昇を見せる場面もありました。
でも、ちょっと待ってください。
市場の楽観ムードとは裏腹に、専門家たちの見方はかなり冷静です。
そして、約1週間前に世界的アナリストが出していた「1970年代スタグフレーション再来」の警告は、今もまったく色あせていません。
著名な米国市場調査会社「ヤーデニ・リサーチ」が、消費者物価指数(CPI)の推移を比較した衝撃的なチャートをSNSに投稿しました。
1970年代のインフレ推移と2020年代の現在を重ね合わせたそのグラフは、投資家の間で大きな反響を呼んでいます。
ヤーデニが示した「不快なチャート」
ヤーデニ・リサーチはこれまで一貫して「Roaring 2020s(2020年代の好景気)」をベースシナリオ(確率60%)として掲げてきました。
AIや技術革新が生産性を押し上げ、企業収益と株価が力強く上昇し続けるという楽観的な見立てです。
イラン危機が長引いた場合の確率を最大35%まで引き上げており、これはわずか数週間前の20%から大幅に上昇した数字です。
スタグフレーションとは、「景気停滞(Stagnation)」+「インフレ(Inflation)」の合成語です。
景気が悪いのに物価だけが上がり続けるという投資家にとって最悪の経済環境です。
通常、景気が悪くなれば物価は下がるため、金利を下げてお金を流せば景気は回復します。
ところがスタグフレーションでは「利下げ→インフレ加速」「利上げ→景気さらに悪化」という二律背反に陥り、中央銀行の政策が効かなくなります。
1970年代に何が起きたかを振り返る「株・為替への深刻な影響」
1970年代のスタグフレーションは、2度のオイルショックをきっかけに世界を覆いました。
第1次オイルショック(1973年)
第4次中東戦争を機に、OPECがアラブ産油国への支援国(米国など)に石油禁輸措置を発動。
原油価格は約4倍に急騰し、インフレが世界中に波及しました。
米S&P500は1973〜74年に約48%下落する深刻な弱気相場に突入しました。
第2次オイルショック(1979年)
イラン革命による原油供給の混乱で価格は再び急騰。
米国ではCPIが14%ほどまで上昇し、FRBのポール・ボルカー議長が政策金利を20%近くに達するほどの超強硬策に出ました。
これにより1980〜81年に2度目の深刻なリセッション(景気後退)が発生しています。
日本への影響も甚大でした
第1次オイルショック時(1974年)、日本のCPI上昇率は20%台という異常な水準に達しました。
日経平均株価は1973年10月から1年間で20%以上下落。ピーク時には約37%下落しました。
スタグフレーション下で株・為替がどう動くかを一言で表すなら
「株は長期低迷、ドルは不安定化、金や商品に資金が逃げる」です。
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2026年の現状「1970年代と何が似ていて、何が違うか」
現在の状況を振り返ると、確かに1970年代と酷似した要素が並んでいます。
似ている点:
- 中東での戦争が原油供給を直撃(イラン危機勃発後、原油は45%上昇して1バレル100ドルを突破)
- 高インフレが収まりきっていない中での地政学リスク
- FRBが「インフレ抑制」と「景気下支え」の間で板挟みになっている構図
異なる点:
- 現在のCPIは2〜3%台で推移しており、1970年代の10〜15%とは規模が全く異なります
- 各国中央銀行はインフレターゲット政策(2%目標)を導入しており、期待インフレの管理能力が格段に上がっています
- 先進国のエネルギー依存度が1970年代より大幅に低下しています(再エネ普及、省エネ技術の進歩)
- 米国経済は現時点で労働市場が比較的底堅く、ドルの基軸通貨としての地位も維持されています
ヤーデニ自身もこの点を認識しており、「ベースケースはまだRoaring 2020s(60%)」という立場を崩していません。
「停戦期待で原油下落」は本当に安心材料なのか?
4月1日現在、イランの停戦シグナルを受けて原油が下落し、株式市場も反発しています。
一見すると「最悪期は脱した」ように見えますが、現場の実態はまったく異なりそうです。
戦争前、ホルムズ海峡では1日平均120隻が通過していましたが、現在は数隻レベルにとどまっています。
米国などは過去最大規模の戦略備蓄放出(4億バレル)や対イラン制裁の一時免除といった緊急措置で時間を稼いでいますが、これらは有限の手段です。
NPRはこの状況を「シュレーディンガーの猫」と表現しています。
どちらが正しいかは今後数週間で明らかになります。トランプ大統領が設定したイランへのデッドラインは4月6日。ここが最初の分岐点です。
4月6日がXデーってことか・・・もしホルムズ海峡が閉じたままだったらヤバいんじゃないの?
FX・株投資家はどう考えるべきか
ヤーデニのシナリオを踏まえると、現時点で意識しておくべき「分岐点」は以下の通りです。
シナリオA(確率60%):Roaring 2020sの継続
イラン危機が数週間以内に収束し、原油価格が落ち着く展開です。
AIによる生産性革命は続き、米国経済は底堅く推移。
シナリオB(確率35%):スタグフレーション型の株安
原油高が長期化し、FRBが利下げも利上げもできない状況に陥ります。
為替はリスク回避からの円高要因と、日本のエネルギー輸入コスト増による円安要因が拮抗し、ドル円は乱高下しやすい局面になります。
FXトレーダーとして注目すべきは、原油価格とCPI期待の動向です。
原油が高止まりし、市場のインフレ期待が再上昇し始めたら、「スタグフレーション警戒モード」への転換サインとなります。
そのタイミングでは、米長期金利の方向感が荒れやすく、ドル円のボラティリティが高まりやすくなります。
つまりインフレ動向に再注目ですね。インフレが高まってきたらスタグフレーションを警戒、落ち着いてきたら株が買われ始める感じかな。今週末の雇用統計で方向感が決まりそうな気もするね・・・記事の最後に雇用統計の全部のシナリオを書いてみたので参考にしてみてね。
まとめ:「最悪シナリオ」を知った上で、でも慌てない
ヤーデニの今回の投稿は「1970年代の再来が来る」と断言しているわけではありません。
むしろ「楽観をベースにしながら、悪いシナリオの確率が上がってきたことを直視せよ」という、バランスの取れた警告です。
現時点でCPIは2〜3%台、米労働市場も崩壊していません。1970年代ほどの壊滅的な状況ではないですが、地政学リスクがある閾値を超えると状況は急変しうる——それがヤーデニのメッセージだと読み取れます。
「まさか」が起きたときに備えた分散と、シナリオごとの対応プランを今から準備しておくことが、2026年の中盤戦を乗り越える鍵になります。
ってなわけで今週の指標には大いに注目しておこう!主に雇用統計の時給と失業率に注目しておいたほうが良いと思う!
失業率が上昇していれば景気は悪化!時給が上昇していればインフレ加速!
失業率が下落していれば景気は改善!時給が下落していればインフレ鈍化!
一つだけじゃなく複合的に見ることが大事だぞ!以下が全シナリオだ!是非参考にしてみてくれ!
3指標を組み合わせた全シナリオ
🔴 スタグフレーション警戒・最大
- 雇用者数:+57,000人を下回る/またはマイナス
- 失業率:4.5%以上に上昇
- 平均時給:3.8%以上で高止まり
景気悪化(雇用減・失業増)なのにコストインフレが止まらない、FRBが身動きできない典型的なスタグフレーションシグナルです。今回の記事の説得力が最も高まる結果です。
🟠 インフレ警戒・利上げ懸念
- 雇用者数:+10万人超の上振れ
- 失業率:4.3%以下に改善
- 平均時給:3.8%以上で高止まり
景気は底堅いがインフレが根強い、という「ホットすぎる」パターンです。
FRBが利上げに動くとの観測が強まり、債券売り・ドル高・株安の圧力がかかります。スタグフレーションとは言えませんが、インフレ期待は上昇します。
🟡 判断保留・様子見
- 雇用者数:+57,000人前後のコンセンサス通り
- 失業率:4.4%横ばい
- 平均時給:3.6%~3.8%横ばい
市場への大きな新規情報はなく、「イランの行方次第」という状況が続きます。スタグフレーション懸念は燻り続けます。
🟢 スタグフレーション懸念後退
- 雇用者数:+10万人超
- 失業率:4.3%以下に改善
- 平均時給:3.5%以下に鈍化
景気底堅く、賃金インフレも落ち着いてきたという「ベストケース」です。Roaring 2020s継続シナリオが息を吹き返し、今回の記事の論点は弱まります。
🔵 リセッション懸念(スタグフレーションとは別軸)
- 雇用者数:再びマイナス
- 失業率:4.6%以上に急上昇
- 平均時給:3.5%以下に鈍化
景気悪化+インフレ鎮静という組み合わせで、FRBが利下げしやすくなります。
スタグフレーションよりは「普通のリセッション」の読みになり、株は下がるもののインフレ期待自体は低下します。
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