【今さら聞けない】ファンドってなに？ヘッジファンドってなに？

2023年5月26日

さぁ問題！ファンドとヘッジファンドの違いを答えよ！

そんなの知ってるに決まってるお。人を試すような真似は良くないんだぞ・・

ファンドとかヘッジファンドは同じもの？機関投資家？投資信託って？似たような意味の言葉で混乱してる人が多いので、詳しく解説してみますね

大口／機関投資家、投資信託、ヘッジファンドなど、これらは金融市場に大きな影響を与える存在として知られています。どれも豊富な資金力を持つ投資主体には違いありませんが、これらの根本的な違いとは何なのか。

それぞれの定義を改めて確認しながら、違いを解説します。

ファンドとは何か

ファンド（Fund）とは、投資信託とも呼ばれるもので、複数の投資家から集めた資金を投資目的に沿って運用する金融商品の一種です。

ファンドは、一定の投資目的を持ち、その目的に合わせて株式、債券・不動産・コモディティ・通貨などの各種資産に投資を行います。投資家は、ファンドに出資することで、自分で資産運用を行う手間やリスクを抑えることができます。

ファンドは、運用会社によって管理され、投資家には出資口数（出資額に応じた口数）が割り当てられます。ファンドの運用成績によって、投資家には配当や利益が分配される場合があります。

ファンドの種類

ファンドには、以下のような種類があります。

1. 株式ファンド：
株式市場に投資するファンドで、一般的には株式投資信託が代表的。株式ファンドは、株式市場の個別銘柄に投資するものや、インデックスに連動した投資を行うものがある。

2. 債券ファンド：
債券市場に投資するファンドで、一般的には債券投資信託が代表的。債券ファンドは、国債や社債、地方債など、様々な債券に投資するものがある。

3. 混合ファンド：
株式と債券などの異なる資産クラスに投資するファンドで、株式債券バランスファンド、アセットアロケーションファンド、バランスファンドなどとも呼ばれる。

4. ETF（上場投資信託）：
ETFは、上場投資信託と呼ばれ、株式や債券などの資産に投資するファンド。一般的に、株式や債券などに連動したインデックスを追跡して運用される。ETFは、株式市場で取引されるため、株式と同じように売買が可能であり、流動性が高いことが特徴。

5. ヘッジファンド：
ヘッジファンドは、多様な投資手法を使って、市場全体の動きに左右されない安定したリターンを目指す投資ファンド。ヘッジファンドは、マーケットニュートラル、アジア、グローバルマクロ、イベント駆動など、様々な戦略を採用することができる。

これらのファンドに加え、不動産ファンド、商品ファンド、インフラファンド、環境投資ファンド、VCファンド、PEファンドなど、様々な種類のファンドがあります。

ヘッジファンドとは何か

ヘッジファンド（Hedge fund）とは、限られた投資家向けに運用される、高リターンを目指して多様な投資手法を用いるファンドの一種です。

さまざまな取引手法を駆使し、市場が上がっても下がっても利益を追求することを目的としています。　

ヘッジファンドは、名前の通り、リスクヘッジ（保険）の役割を持つことがあります。普通の投資信託は相場が一方向に動いたときのみ利益が出る仕組みのものが大半ですが、ヘッジファンドは先物取引や信用取引などを積極的に活用することで、相場の上げ下げに関係なく利益を得ます。

ヘッジファンド戦略の種類

ヘッジファンドは様々な投資手法や戦略を用いてリスク管理をしています。以下いくつかの代表的な戦略を紹介します。

1. ロング・ショート戦略：
株式等の投資対象を買い持ち（ロング）する一方で、同時に売り持ち（ショート）することで、市場全体の動きに対してヘッジする。

2. マーケットニュートラル戦略：
株式等の投資対象に関係なく、市場全体の動きに依存しないポートフォリオを組む。

3. イベント駆動戦略：
企業の合併や買収、株式公開等のイベントに関する情報を基に、投資を行う。

4. グローバル・マクロ戦略：
世界各国の経済・金融情勢、政治情勢等を分析し、その影響を受けやすい投資対象に投資を行う。

5. マルチストラテジー戦略：
上記の複数の戦略を組み合わせたポートフォリオを組む。

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ファンドとヘッジファンドとの違い

ファンドは、投資家の出資金を一定の投資目的に沿って分散投資することで、資産運用のリスクを分散し、投資家に長期的・安定的なリターンを提供することを目的とします。

一方ヘッジファンドは、市場の変動に対して保険的な役割を担い、リスク管理を中心に運用されるファンドです。

ヘッジファンドは相場に負けないことを目指す「絶対収益追求型」

ヘッジファンドは、高リターンを目指すがゆえに、一般のファンドと比べて高いリスクが伴います。そのため、一般的なファンドよりも資産運用の知識や経験を持つ投資家向けに販売されることが多く、一定の投資金額の最低額や、出資期間が長い場合があります。

また利益を上げるために様々な投資手法を駆使するため、一般的なファンドよりも運用手法が多様化していることも特徴のひとつです。

大口／機関投資家の存在

顧客から拠出された資金を運用・管理する法人投資家が、大口投資家または機関投資家と呼ばれる存在です。

具体的には「公的年金基金」「信託銀行」「保険会社」「投資顧問会社」「ヘッジファンド」「プライベートエクイティファンド」などが挙げられます。

一度に大きな額の売買をするため、市場においては非常に影響力の大きい存在と言えます。お金を出す顧客に対して責任があるため、長期運用で明確な計画に基づき、リスク管理を徹底した運用方針をとることが多いです。

有名なファンド（投資機関）

・ブラックロック：
世界最大の資産運用会社の一つ、総資産は約900兆円

・バンガード・グループ：
世界最大の投資信託会社、総資産は約450兆円

・カリフォルニア州公務員退職年金基金（CalPERS）：
アメリカの公的年金基金、総資産は約40兆円

・シンガポール政府投資公社（GIC）：
シンガポール政府の投資会社、総資産は約55兆円

・日本郵政公社：
日本の郵便局を運営する企業、総資産は約330兆円

有名なヘッジファンド（投資機関）

・ブリッジウォーター・アソシエイツ：
世界最大のヘッジファンドの一つで、レイモンド・ダリオが創業。資産運用額は約1500億ドル以上にのぼり、数多くの投資家から支援を受けている。

・ルネサンス・テクノロジーズ：
量子ファンドとして知られる、数学的手法を用いたアルゴリズムトレーディングに特化したヘッジファンド。ジム・シモンズが創業し、資産運用額は約800億ドル以上。

・ポールソン・アンド・カンパニー：
ジョン・ポールソンが創業したヘッジファンドで、2008年の金融危機でサブプライムローンの崩壊を予測し、大きな利益を得た。現在は資産運用額が減少している。

・コインフリップ：
暗号通貨市場に特化したヘッジファンドで、ビットコインの価格変動に基づくアルゴリズムトレーディングを行う。2019年には資産運用額が10億ドルを超えた。

・マネーマーケット・ファンズ：
ジョージ・ソロスが創業したヘッジファンドで、1980年代には英国ポンドの売り攻勢で有名に。現在は、資産運用額が減少している。

公募と私募との違い

有価証券を新規に発行するとき、機関は「公募」または「私募」で投資家を勧誘します。

公募とは、一般の投資家を対象に公開募集を行い、投資家からの資金を集めて運用する方法です。投資家は、証券会社や金融機関を通じて、ファンドに出資することができます。公募されたファンドは、一定の規制に従って運用されます。

私募とは、限定的な投資家を対象に、非公開で募集を行い、投資家からの資金を集めて運用する方法です。投資家は、ファンドに出資するために、招待状を受け取る必要があります。私募ファンドは、一般的に規制が緩やかであり、高いリターンを追求することができますが、一定の条件を満たす投資家に限定されるため、一般の投資家には投資機会が限られています。

リスクに注意

公募ファンドは、一般の投資家にも開かれており、運用の透明性や規制が厳しく、安定したリターンを追求することが特徴です。一方、私募ファンドは、限られた投資家に開かれており、高いリターンを追求することができる一方で、リスクも高い場合があります。

相場が一方向に動いたときに利益が出るのがファンド、どちらに動いても利益を追求するのがヘッジファンド。後者は投資手法が複雑でハイリスクになりやすいのだ