バフェット氏は今年10％近く下落した”あの株”を買い続けてる。我々も真似すべき？

2023年7月3日

バフェ爺がある株を買いまくってるらしい！しかも年初来10％近く落ち込んでる株だって！

今が買い時！？僕も真似して買いまくろうかしら！！

なんて甘っちょろい考えのそこのあなた、注意ですよ

なーんちゃって。僕もそう言って注意喚起しようとしたところだから・・

米金融会社モーニングスターが2023年6月22日までに集計したデータによると、ウォーレン・バフェット氏はここ数ヶ月間『オクシデンタル・ペトロリアム（OXY）』の株を数百万株と買い続けていることが判明。

OXY株価は年初来9.7％下落したにも関わらず、買い占めを止めていないようです。

ソース先
Warren Buffett keeps buying millions of shares of this company despite the stock’s decline this year of nearly 10%. Should you join him?
https://www.marketwatch.com/picks/warren-buffett-keeps-buying-millions-of-shares-of-this-stock-despite-it-posting-an-upwards-of-8-loss-in-2023-should-you-bite-anyway-91784a4d

”負け株”を買い続けるバフェット氏

バフェット氏が代表を務める投資会社『バークシャー・ハサウェイ（BRK）』は5月下旬、石油生産最大手企業『オクシデンタル・ペトロリアム（OXY）』の株式を約466万株購入。同月末までにさらに220万株を追加し、保有株数を2億2,200万株としました。

これにより、推定130億ドル相当の同社株式のうち24.9％をバフェット氏が保有する形となっています。

しかしOXY株価は2023年最初の6ヶ月で10％近く下落しており、14.13％上昇したS&P500や4.97％上昇したNYダウと比べると、低迷は顕著と言えるでしょう。

OXY株価：年初来ー9.7％／過去12ヶ月ー3.53％
S&P500株価：年初来＋14.13％／過去12ヶ月＋16.27％
NYダウ株価：年初来＋4.97％／過去12ヶ月＋11.65％

OXY株が下落した理由

OXY株が短期的に下落した背景には何があるのでしょうか。

モーニングスター在籍の金融アナリストDave Meats氏によれば、OXY株価の下落はより広範なエネルギー関連セクターと同じように、物価下落に関係しているのだと言います。

経済全体の成長が鈍化しているなか、ロシアからのエネルギー供給の損失が予想よりも軽度だったこともあり、WTI原油価格は今年6ドル以上も下落しました。株式と同じで、物価というのは需要と供給のバランスで決まります。つまり需要が低ければ物の値段は下がりますし、需要が高ければ価格は上がります。

OXYに注目する理由

それではなぜ世界で最も成功している投資家バフェット氏は”負け続きの株”を買い続けているのでしょうか。

その理由について専門家らは「すべてはタイミング次第の賭け」だと考えています。

OXY株は今年10％近い損失を出しているにも関わらず、『シェブロン（CVX）』『EOGリソーシズ（EOG）』『パイオニア・ナチュラル・リソーシズ（PXD）』といった同業他社の多くを上回った、もしくは変わらない運用成績を出しています。

OXY株価：年初来ー9.7％
CVX株価：年初来ー13.28％
EOG株価：年初来ー14.38％
PXD株価：年初来ー8.44％

しかし異なる角度でOXYのパフォーマンスを眺めてみると、なぜバフェット氏がこの会社に注目しているのかヒントが得られるかもしれません。

OXY株価は2020年10月30日以来、なんと100.46％の上昇を記録しているのです。

この特定の期間中にOXYに投資できていれば、投資家は素晴らしいリターンを享受できたでしょう。しかし短期的なアンダーパフォーマンス（運用成績がベンチマーク指標を下回ること）だからといって、バフェット氏は急に株を買うのを止めたりはせず、潮目が変わることに賭けているのです。

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バフェット氏を真似すべきか？

私たちもOXYに投資して、バフェット氏と共に儲けを期待すべきなのでしょうか。

彼の投資戦略には注意すべき点があります。それはバフェット氏のやり方を真似たところで、お金が儲かるわけではないということです。

金融アドバイザーのNicholas Bunio氏も、これに自分の財産を賭けるのは「最善の戦略ではないだろう」と指摘しています。なぜなら、時間的にも金銭的にも、一般の投資家には耐え難い下落に見舞われる可能性があるからです。

これだけは言っておきますが、私はバフェット氏の大ファンです。彼の著書を多く持っていますし、投資に興味を持ち始めた高校生の頃から、彼のことを追いかけてきました。しかし私がこの18年間で学んだことは次のことです。バフェット氏は自分の会社であるBRKに投資しているのです。そしてこの会社は理論上は永遠に存続できるのです。

耐えられないほどの損失を生むかもしれない

平均的な投資家とは異なり、BRKのような投資会社には私たちのほとんどが耐えられないような大きな損失を防ぐための”いざという時の金銭的蓄え”が豊富にあります。

調査会社マクロトレンドによれば、2023年3月31日時点でBRKの総資産は前年比＋2.84％の9970億7000万ドル。

つまり「バフェット氏と彼の会社は平均的な投資家よりもかなり多くの損失を被る余裕がある」のだとBunio氏は言います。

これらの投資は大きく変動する可能性があり、株価は5年間または20年間落ち込んだ後にようやく回復するかもしれません。しかし私たちは個人としても家族としても、これほど投資に割くだけの時間はありません。10年後に定年退職なら、これだけ長く待つ時間はないでしょう。退職したばかりで全財産の半分を失いでもしたら、本当に困ったことになるかもしれません。