円キャリートレードに異変！？ドル円がヤバいかもしれません・・・

円キャリートレードに異変！リスク回避の動き

投資会社が円キャリートレードの対象ペアに米ドル以外を選定しているという動きがあるという報道がありました。

「円キャリー」に異変、円買いに欧州通貨活用－変動大きいドルを回避

為替市場で低金利の円を調達して高金利通貨を買う「円キャリー取引」に異変が起きている。金利差を利用して収益を狙う投資家は、変動が大きいドルではなく欧州通貨で円買いに必要な資金を調達し始めた。

　　ドルを基軸とした投資戦略は、トランプ米大統領の貿易関税案で生じた市場の先行き不透明感によって難局に直面している。関税案がドル高の材料となるのか、それとも交渉戦術に過ぎないのか投資家は疑問視している。

Bloomberg　https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-02-17/SRSEY9T0G1KW00

これが一体どういうことなのか？について、なるべくわかりやすく解説したいと思います。

円キャリートレードってなに？

そもそも円キャリートレードとは何なのか？

「円キャリー取引（キャリートレード）」とは、金利が低い通貨（日本円など）を借りて、金利が高い通貨（ドルやユーロなど）を買うことで、その金利差で利益を得ようとする投資の方法です。

• 低金利の通貨を借りる（例として日本円）
  日本の金利が他国より低いときは、借りるコストが安くすみます。
• 高金利の通貨を買う
  借りた円でアメリカドルやユーロなどを買い、金利収入を狙います。

これによって生まれる金利差が、投資家の「儲け」につながるわけです。

今までの主役はドルだったが、今後は・・・

これまでは、金利差が大きい「米ドル」を買う円キャリー取引が多く行われていました。

しかし最近、トランプ大統領の貿易関税に関する政策などで米ドルの先行きが読みづらくなり、一部の投資家は米ドルを避けるようになってきているそうです。

• トランプ氏の政策が不透明
  貿易関税によってドルが上がるのか下がるのか、予測しにくい状況
• ヘッドライン（ニュース）による予測不能な値動き
  政治・経済ニュースの内容次第で、為替が急に上がったり下がったりする可能性

こうしたリスクを嫌い、投資家たちは別の通貨で「円を借りて儲ける」方法を模索し始めたのです。

円買いトレンドが発生中？

それもあってか、円キャリートレードをするにあたって最近ユーロやスイスフラン、英ポンドといった欧州圏の通貨を対象にする動きが増えているようです。

しかも今後の日本の利上げ、欧州の利下げを見通すとなれば、今後は円買いの流れが強くなるという意見も述べられています。

よって、いわゆるクロス円のショート（日本円買い、欧州通貨売り）のポジションが好まれ始めているということでした。

まとめ

直近数年は「日本の金利が低い」というイメージで「円を借りて他の通貨を買う」円キャリー取引が盛んに行われていました。

が、アメリカの不透明な政策や日本の金利引き上げ観測が重なり、投資家は「ドルを避けて、ユーロなどの欧州通貨で円を買う」という新たな動きを見せています。

よって今後は円高・他通貨安がより顕著になるのではないでしょうか。なってくれたら個人的にはとても助かります。旅行も行けるし。

大円高時代の序章はすでに始まっているのかも知れません。

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