「リタイア後の年間支出額は総資産の○○%に収めるのが現実的」 最新の研究データで判明

4%ルールはもう時代遅れらしいです!でも年間たった1.9%の生活費じゃ生きられないおおおお!

 

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退職者や退職が迫っている人たちは有名な「4%ルール」を下方修正する必要があることを前々から知っていました。しかしそれが実際どのぐらいかは様々な議論があるところでしょう。

最新の研究結果によると、リタイア後の年間支出額は総資産の1.9%が現実的なようです。

ソース先

The 4% retirement spending rule may be too high. Could you get by on 1.9%?

https://www.marketwatch.com/story/forget-the-4-retirement-spending-rule-would-you-believe-1-9-11664559109

目次

有名な「4%ルール」とは

4%ルール」とは、米トリニティ大学の研究チームが1998年に発表した資産運用に関するルールです。

これは退職者が資産運用額の4%未満を毎年生活費として切り崩していけば、30年以上経過しても、資産が尽きる確率は非常に低いという内容です。

つまり投資で得られる利益の範囲内で暮らすことで、半永久的に資産は維持できるという考え方ですね。

過去のデータセットを用いて生まれたルール

元々この考え方は、ファイナンシャルプランナーのWilliam Bengen氏が1994年に発表した研究論文に端を発したものでした。彼は1926年から1991年までの米国における株式50%/債券50%のポートフォリオが30年ごとに存続するよう計算を行い4%ルールを作成。

4%というのは米国の一般的な株価成長率7%から物価上昇率3%を引いて計算されています。

4%ではなく1.9%が妥当

しかし4%ルールはもはや時代遅れの資産運用方法かもしれません。米アリゾナ大学とミズリー大学の財政学教授らは、4%ではなく1.9%にすべきだと考えています。

1.9%という数字に驚きを隠せない人も多いでしょう。

年間支出額が1.9%まで減らされるというのは家庭に大打撃を与えるかもしれません。401kミリオネアーつまり退職時に100万ドル(約1.5億円)作って引退した人たちーが4%ルールを守る場合、年間4万ドル(580万円)を自由に使うことができます。しかし1.9%だと年間1.9万ドル(約275万円)と少々心もとない額になってしまいます。


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1.9%に下がった主な原因

1.9%を導き出した本研究のタイトルは『The Safe Withdrawal Rate: Evidence from a Broad Sample of Developed Markets(安全な引き出し率とは:先進市場の幅広いサンプルから得られた証拠)』。

研究者らはBengen氏の方法論にいくつか微調整を加えていますが、彼らが1.9%というレートに辿り着いたのには主に2つの原因があったそうです。

原因1)現代人の平均寿命が伸びた

1つ目の理由は我々の平均余命が伸びたことでした。

社会保障局(SSA)の統計データに基づくと、いまの現代では退職を迎えた65歳のカップルのうち少なくとも1人が30年以上生きる可能性はほぼ4分の1とのこと。平均寿命が長くなったことで、生活費が余分にかかるようになったのです。

原因2)米国以外の市場データも含めた

2つ目の理由はさらに重要で、利用できる市場データがより包括的になったためです。

新しい研究は、1890年から2019年における先進国38カ国のリターンを反映したものでした。つまり合計約2,500年分の株式・債券・インフレ情報などが含まれたデータベースです。

これは研究結果に大きな影響を与えました。なぜなら米国は前世紀に他のどの先進国よりも大きなパフォーマンスを上げていたからです。米国だけの限定的なデータではなく、他の先進国市場も含めた広範なデータで将来を予想することは重要でしょう。

要するに1.9%という数字は、4%ルールを「より現代人の平均寿命に近い現実的な想定」と「過去の株価市場に関するより包括的なデータセット」で再度見直して算出されたものだったのです。

米国市場は今後も成長し続けると信じるべきか

米アリゾナ大学のRichard Sias教授は、米国市場が今後も(他国と比べて)例外的に成長し続けるとは考えていません。

彼らが扱った研究データでは、米国よりも最初の数年間一人当たりのGDPが高い国があったのです。

これが何を意味するのか理解するため、あなた方は今から100年前「最もリターンを生み出す国に賭けていた」と想像してみてください。当時の先進国の規模や収入のみに基づいて賭けを行っていたならば、あなた方は米国市場を選んでいなかったはずです。

日本市場の転落

日本市場を例に考えてみましょう。

1980年代の終わりまで、日本の株式市場は世界で最も高い時価総額を誇り、米国のそれを大幅に上回っていました。もちろんその後バブルが弾け、いまだ完全に回復できておらず、1989年につけた史上最高値3万8915円から3分の1ほど低い水準で取引されています。

どうしてこの日本の歴史が米国とは無関係だと言えるのでしょうか。1989年当時、多くの人は日本が世界経済を支え続けるだけでなく、より支配的になるとさえ予想していました。

予測不可能な時代だからこそ1.9%を見据える

米国市場が今後どうなるかは誰にも分かりません。米国が日本のような運命を回避することを期待するのは個人の勝手ですが、希望が退職戦略であってはいけないのです。

願いではなく確実なデータを基に未来を考えるなら、「1.9%ルール」を採用すべきでしょう。

引退時に資産が100万ドル(約1.5億円)あれば、年間に使える生活費は1.9万ドル(約275万円)。ただ世界最大級の投資顧問バンガードによると、同社が管理する退職金アカウントのうち資産25万ドル(約3600万円)を超えるのは全体のわずか15%だけとのこと。またそもそも退職口座を保有する労働者は全体の12%しかいない、とボストン・カレッジ退職研究センターは明かしています。


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