前編では
- 通貨ペアとは何か
- ストレート通貨とクロス通貨の違いとは?
- クロス通貨の中でもクロス円とは何か
など、通貨ペアの仕組みについて書いてきました。
後編では、クロス通貨の中でも我々に馴染みの深いクロス円について、ストレート通貨とはちょっと違うレートの見方や、理解した仕組みをどの様に実際の取引に活かすと良いか?など実践的な事を書いていきます。
長くなりましたが、後編はユーロや豪ドルなど対どの通貨にも当てはめる事が出来るクロス円の事なので、最後まで読んでクロス円の取引に役立たせてみて下さい。
クロス円のレートの算出方法
クロス円はドルストレートと異なり、レートの算出方法が異なってきます。
前編のクロス通貨の項目で、米ドル以外の取引をする場合であっても、基軸通貨となる米ドルを介さなければいけない仕組みとなっているとお伝えしました。
例えばユーロ/円を取引する場合
「一度円を売って米ドルを買い、その米ドルを売ってユーロを売買する」という取引が行われます。
つまり、「円とドルの交換レート」×「ドルとユーロの交換レート」=「円とユーロの交換レート」となるわけです。
※通貨ペアによっては割り算となる場合もあります。
米ドルとの通貨ペアの際、USDが左あるクロス通貨の場合、求めたい通貨を分母にします。
CHF(スイスフラン)CAD(カナダドル)ZAR(南アランド)などです。
USD/JPY × EUR/USD = EUR/JPY
実際のレートで当てはめてみるとこの様になります。
実際のレートでもちゃんと反映されている事がお分かりいただけたでしょうか?
もちろん、ユーロ/円を取引する際、レートはEUR/JPYとしか出ていませんので、直接売買しているのでは?と錯覚を起こしてしまいがちです。
その為、ユーロ/円の取引なら、単純にユーロの値動きだけを追えばよいと思っていた方もいるかも知れません。
でも実際には、2国間の動向だけではなく米ドルの値動きも見ていく必要があるということになるのです。
ユーロ/円で買いポジションを保有するという事は、実は米ドル/円の買い+ユーロ/米ドルの買い、この2つを持つ事と同じ事になるからです。
ユーロ/円じゃなくて、豪ドル/円バージョンで計算してみてもちゃんとぴったりになるお
一度みんなも今の実際のレートで計算してみると良いよ!
代表的な通貨ペアの相場変動時の関係性
例えば、「ユーロ/円」が大きく上昇した際、こんな分析をする事が出来ます。
- 「米ドル/円」相場で円が売られた事により、米ドルが上昇したことが背景で上がっている。
- 「ユーロ/米ドル」相場において、米ドルが売られた事により、ユーロが上昇したことが背景で上がっている。
では、この分析を何に生かす事が出来るでしょうか?
上で分析した値動きは表の一番上に該当する事が分かるかと思います。
基本的には上記の表のようなパターンの値動きになるので、ユーロ米ドルや米ドル円の値動きも合わせてみる事で、ユーロ円の値動きが読み易くなるのです。
ユーロ /円の取引をしようとした時、何故その様な値動きをしたのか?をユーロ/米ドル、米ドル/円の中に探す事が出来るのです。
クロス円の値動きはドルストレート通貨より激しい?
FXではユーロ/米ドルの取引量が世界でもっとも多いです。
それに次いで米ドル/円もかなりの取引量であることからも、ドルストレートは比較的落ち着いた値動きをする傾向があります。
クロス通貨は国によっては情勢が安定していないことや、取引量が少ないということもあって、値動きが激しい通貨ペアであると考えたほうが良いです。
更にクロス通貨は、ドルを介した二段階の取引が行われている分、ドルストレートの影響を常に受けてしまうことで、値動きが大きく、激しくなりがちなのです。
ドルストレートを中心に考えてみる
ここまでで、クロス円を取引している時でも、米ドルが絡んでいる事はお分かりいただけたと思います。
自分の取引しているクロス円通貨が値動きした時、米ドル円と主軸通貨と米ドルの通貨ペアがどの様な動きをしたか、それを見る事により、各々の通貨に何が起きているのかが見えてきて、自分の取引している通貨がどう動きそうか予測できたりします。
つまり、ドルストレート以外の通貨ペアでも米ドルを絡めて見る事でトレードの戦略が立て易くなるのです。
日本で生活して、普段日本円を使っていると、なかなか米ドル中心で考えることは難しいかも知れません。
しかしFXにおいて、米ドル中心で考えられるようになれば、どの通貨がチャンスであるか、我々に馴染みの深いクロス円を、どの様に取引すれば良いかを瞬時に判断できるようになり、有利にトレードを進められるようになると思います。
FXする時だけでもアメリカ人になった気分でトレードすればいいんじゃない?
まぁ…なりきる必要は無いと思うけど、それ位の気持ちでな
まとめ
通貨ペアに種類はあれど、どの通貨ペアを取引している時も、必ず米ドルが絡んでいる為、米ドルを基準に幅広く通貨ペアを見て取引の戦略を立てる事をオススメします。
ストレート通貨はその取引量からも安定した値動きをし易く取引しやすい、反対にクロス円を含むクロス通貨は値動きが激しく収益チャンスは大きくなる可能性がある(しかしリスクも同等に変動)とそれぞれに一長一短です。
ストレート通貨とクロス通貨、どちらが取引しやすいとは一概に言えませんが、色々な通貨を見る事で自分の取引している通貨のトレード戦略も立て易くなるかと思います。
もちろん、実際取引をしなくても、通貨ペアを選ぶ際も色々な通貨ペアを見る事もオススメです。
より有益な取引をする為に、ストレート通貨クロス通貨問わず、様々な通貨ペアの動きに目を向けてみましょう。
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